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こんなにわかってきた 宇宙の姿

space.jpg著者:    京極一樹
発行日:    2009/2/28
ISBN:     4774137626
頁数:    四六版256頁
本体価格:  ¥1,880(税抜)

はじめに

本書は、「これは読者が知りたい話/見たい図ではないか」という情報を集めた書籍です。最近はインターネットが普及し、ネット上でだいたいの情報が集められますが、「知りたい/見たいというときに探すのはかなり大変です。本書を1冊本棚に置いておけば、当面の間、宇宙に関する情報の参考になります。

著者は、小学生の時には天文学者になろうと思いました。子供のころの夢ですね。中学生から大学生のころは物理学者になろうと思いました。会社員になってからは人工衛星と宇宙基地開発の仕事に就き、宇宙飛行士になろうか、と思ったこともありましたが、以降は特に、天文学も宇宙物理学も特に勉強はしませんでした。

ですから、宇宙に関する筆者の知識はそのレベルだったのですが、最近の宇宙を見直すと、それまでに見聞きした宇宙からは、「宇宙像」が大きく様変わりしています。今から30年前までに教わった宇宙といまわかっている宇宙とは、あまりに大きく違ってしまっています。

冥王星は惑星から外れました。衛星が続々と発見されました。たとえば木星と土星にそれぞれ63個の衛星があります。当時、「ビッグバン」はかなり有名でしたが、加えて「暗黒物質」「系外惑星」などの言葉もかなり知れ渡るようになりました。宇宙創生の謎も解明されてきました。月の生成過程もわかってきました。太陽系のいくつかの惑星や衛星に水があるらしい、ともいわれています。温室効果は地球のほか金星でも顕著で、一方火星の環境改造には温室効果を利用することが考えられています。

そんな時、国立天文台が開発した4次元デジタルビューワー「Mitaka」を見つけました。新しい宇宙像を「Mitaka」を使って解説できたら、とてもおもしろい書籍ができるのではないか、これが本書を書き始めた理由です。
本書では、「Mitaka」を使って、宇宙の観測データをもとにした画像を次々に表示しながら、宇宙の構造を解説していきます。そうすると、太陽系のイメージ、銀河系のイメージ、そして大宇宙のイメージが「ひとつながりに」頭の中にイメージできるようになります。

「Mitaka」は、国立天文台のホームページなどから簡単にダウンロードでき、ユーザーが自由に操作して楽しむことができます。このソフトでは、「地上から宇宙を見るモード」と「宇宙から天体を見るモード」の2つのモードが用意されています。
今まで宇宙を知るには、1枚ずつの写真やイラストしかありませんでした。それが「Mitaka」では、パソコン上で、どこからでもいつの宇宙でも「シームレスに」眺めることができます。こんな素晴らしいツールが昔からあったら、宇宙にもっと興味がもてて、本当に天文学者や宇宙飛行士になっていたかもしれません。
最近は宇宙に関する話題にことかきません。たとえば次のようなことをビジュアル的に見ることができたら、「宇宙」ももっと身近に思えることでしょう。

● 火星に氷があることはほぼ確実です。有人火星探査計画が現実的になってきました。
● 米国ブッシュ前大統領は、2015年までにもう一度、月に有人探査機を送り、その後、有人火星探査の可能性を探ると宣言しました。
● 2004年3月に、直径30メートルの小惑星が、地球から4万キロメートルまで大接近したことをご存じですか? 地球の直径って覚えていますか? 
● 「マケマケ」という準惑星をご存じですか?
● 太陽系のかなたに「すい星の巣」があるのをご存じですか?
● 大マゼラン雲で起きた超新星爆発からのニュートリノの検出などで小柴教授がノーベル物理学賞を受賞しました。さて、大マゼラン雲ってどこにあるかご存じですか?

宇宙がもうそこまで来ました。本書が、学生諸君から社会人諸兄まですべての方々にとっての、最新の宇宙の入門書になることを祈ります。
著者

●Mitakaで宇宙を表示する

第1章 地球・月そして太陽
1-1 わが大地、地球
1-2 わかってきた月の生成
1-3 宇宙の距離の単位
1-4 太陽系のエネルギー源、太陽

第2章 太陽系の惑星と衛星
2-1 太陽系の構成…その1
2-2 太陽系天体の軌道と自転
2-3 惑星の形成プロセスとは
2-4 クレーター惑星、水星
2-5 苛烈な火山惑星、金星
2-6 地球に一番似た惑星、火星
2-7 火星の謎を探る探査機群
2-8 火星の2つの衛星
2-9 太陽系最大の惑星、木星
2-10 木星型/天王星型惑星の構造
2-11 木星以遠の宇宙探査機
2-12 木星の63個の衛星と環
2-13 太陽系第2の惑星、土星
2-14 続々見つかった土星の環
2-15 土星の63個の衛星
2-16 直角に傾いた天王星
2-17 いちばん遠い惑星、海王星

第3章 太陽系と太陽系小天体
3-1 太陽系の構成…その2
3-2 小惑星と太陽系外縁天体
3-3 謎の天体 冥王星
3-4 他の準惑星とその候補
3-5 その他の太陽系小天体
3-6 地球に接近する小惑星
3-7 彗星とオールト雲

第4章 太陽系外宇宙と宇宙創生
4-1 星座と恒星と星の明るさ
4-2 星のスペクトルとHR図
4-3 星の一生を探る
4-4 銀河系の構成
4-5 銀河系周辺と銀河の階層構造
4-6 宇宙の大規模構造の示すもの
4-7 ビッグバン宇宙論入門
4-8 地球外生命体はいるのか